営業活動の中で話し方が占める比重は、非常に高いのが現状です。
口から出る言葉の使い方やテンポ、間合いの取り方によって、相手への印象が大きく変わります。営業を成功させるためのトーク技法として、「応酬話法」が存在しています。応酬話法とは、信頼関係を築くために、会話を続けるということです。お客様が断った場合に、一旦「そうですか」と相手の反応を受け止めます。そして、別の角度で話を続けて行きます。そうすることによって相手との信頼関係を構築していくトーク技法となります。
しかし、いくら応酬話法のトーク技法を習得していても、それを相手に伝えるための方法は、口から発する言葉となります。ゆえに、前述しましたように、話し方が重要な比重を占めるというわけです。頭の中に入っている商品知識や応酬話法が、生きてくるかどうかは、話し方によって左右されます。
まず、話すテンポは、気持ちゆっくりとしたペースで話すようにしましょう。そのほうが、落ち着いていて自信がある雰囲気を相手に与えることができます。逆に、早口でしゃべる営業マンは、相手から自信がないという印象を持たれてしまいます。
お客様が早口で話す方の場合には、営業マンも少し早めに話すことをおすすめします。
早口で話す人の多くは、せっかちな傾向が強く、ほかのお客様に話す時のようにゆっくりとした口調で話すと、イライラしてくるお客様も存在しているからです。話すテンポとしては、お客様の話すテンポより気持ちゆっくりしたテンポで、セールストークを展開するようにしましょう。
セールストークの最中に、ちょっとした身振りや手の動きをすることによって、お客様に確実にメッセージを伝えることができます。ただし、あくまでも自然な動きを意識するようにしなければ、大げさな身振り・手振りは逆効果になってしまいます。言葉だけでは耳からしかセールストークが入りませんので、ちょっとしたアクションを加えてみるというのも有益な方法です。例えば、「ここがこの商品をおすすめしたい1番のポイントとなります」と話す場面で、右手を出して指を1本出すといった感じです。この程度のリアクションをしただけで、確実に相手の目と耳から、商品情報が入っていきます。
一般的に、人と会話をする時には、相手の目を見て話すように言われるのですが、営業トークの場合には、それは当てはまりません。目線をずっと合わせて話をしていたら、かえって話に集中することができません。お客様の方でも、ずっと視線を合わされるのは敬遠されます。営業トークでは、少し目線を下げて話をし、契約の決断をお願いするような場面では、目を見て話すようにしましょう。