なぜ名刺を管理しないのか? 名刺管理から始める内省

営業という職業は、目に見える技術を使わないため、ノウハウを得るのが難しいものです。
対人関係における技術というものは、先輩からの口伝や自身の感覚によることが多いのではないでしょうか?
相手は機械ではなく人間です。人間は、時代や世代によってその特色が異なります。
また、個人の性格や好みも細分化されているので、共通して対応するためのマニュアル化が困難なものです。

しかし一定の広い枠組みが存在しないこともありません。例えば、名刺管理という作業は実に理に適ったものです。

例えば、散らかっている部屋を想像して下さい。
TVのリモコンがどこにあるのか分からない。出かける際、鍵や財布が見つからない、ということはありませんか?
パソコンのデータでも、整理し忘れていて、いざ編集したいファイルがあるときに見つからないことがあります。
これは名刺についても起こりうることです。

それでは、大量の名刺をどう保管しているでしょうか。
チェックする頻度の多いものだけを見やすい位置に置き、他の名刺は乱雑に保管していませんか?
その場合、たくさんの名刺の中から必要なものを探すとき、見つからない可能性が十分考えられます。
仕事には緊急を要するものもあり、そんなとき、名刺を探す時間は無駄以外のなにものでもありません。しかも、そのような保管体制の会社を見下すことに繋がりかねません。
人間は無意識のうちに、優先順位や上下関係を定めてしまうものです。
そのようにして醸成されるものは、やがて仕事に悪影響を及ぼすでしょう。

名刺をしっかりと管理することは良い方向に繋がります。
各社を上下の区別無く対等に意識することができますし、もちろん、目的の名刺へのアクセスの容易さは利便性の向上に他なりません。

名刺管理には多くのメリットがありますが、なぜそれを今までできなかったのか、考えなければなりません。
意識的に名刺管理を行うのではなく、自然と名刺管理をするような心構えを作るべきなのです。
それは自身の内省から始まります。
忙しさにかまけて周囲の管理が乱雑なら、休みが少ない可能性、疲れが取れておらず、十分な脳の働きを阻害している可能性があります。もしくはストレスの原因が、その乱雑な管理の原因かもしれません。
そういった自身の根幹にかかわる問題を見つけ出し、解決することこそが重要なのです。

名刺管理という作業からでも、内省の必要性が理解できたと思います。
もし自分自身が仕事とフラットに向き合うなら、おのずと名刺管理はなされ、他の業務の効率化も思いつくことも夢ではありません。

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