マーケティングとは製品、価格、セールス、店頭、広告、販促、アフターフォローなどの、製造から流通・販売の様々なエレメントの、掛け算の結果になります。
したがって、いずれかひとつでもゼロの要素があると、マーケティング総体としての結果も、ゼロになってしまいます。
マーケティングとはまず、このようなきわめて難しい工程を相手に行うものである、と認識することが大切です。
どれだけ製品のクオリティがよくても、流通が整っておらず、どこにも売っていなければ結果はでませんし、流通の段階で、競合他社に劣るような場所でしか販売できていなければ、販売ボリュームはおぼつかないことになります。
価格設定も重要な要素です。
高級品として、ニッチ市場で一定のシェアがとれれば、それなりの利益を稼ぎ出すことができるでしょう。
しかし、競合他社と比べて、単に価格が高いだけの存在では、販売不振に追い込まれ、市場から撤退を余儀なくされるはずです。
広告の告知にも同様のことがいえます。
どれだけいいものであっても、初期の段階で、早い時期に承認認知と理解が図られなければ、セールスには結びつきません。
商品やサービスの実態以上に、いい広告ができて話題になったとしても、商品が、その期待に応えられるレベルのものでなければ、広告負けしてしまうでしょう。
商品やサービスのブランディングも、需要なマーケティング要素となります。
ブランドというのは、送り手があたかも、自分ですべてコントロールできる、と錯覚に陥るマーケッターがいます。
しかし実のところ、ブランドは、受け手の経験によって形成されるものであり、送り手が簡単に、コントロールすることはできません。
商品はよくできていても、販売後の会社の対応がよくなければ、顧客の、商品を通してのブランドイメージは著しく悪化し、ブランド価値は低下してしまいます。
商品を通して、顧客との関係をどう確立・維持し、継続的な購買に結びつけるかの、いわゆるCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)もマーケティングのプロセスでは、重要なものとなってきているのです。
既存の顧客への、商品の継続販売は、新規の顧客への販売にかかるマーケティングコストのほぼ5分の1ですむ、とされています。
いかに既存顧客が企業にとって、利益をもたらす存在であるかを示す事実です。
このようにマーケティングとは、企業が商品を生み出してから、顧客の手に渡るまでの、すべてのプロセスに気を配らなくてはならないものなのです。
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